日本の練習は、練習のための練習で、サッカーのための練習ではないことが多いかもしれませんね。

「テクニックはあるが「サッカー」が下手な日本人」

第一印象は「日本人のテクニックやスピードは素晴らしい」。しかし、第二印象は「日本人はテクニックやスピードは素晴らしいがサッカーは下手」というものに変化していってしまいます。日本人のテクニックは伸びている。スピードも向上している。サッカーの部分部分はレベルアップしている。しかし、どうやら日本人は「サッカーそのものは下手なまま」のようです。

日本と同じような”軽いフィジカルを避ける”プレースタイルで練習に参加したら、大間違いでした。練習では危険なフィジカルコンタクトは避けるという暗黙の了解は彼らには存在しないようで、練習でもガンガンぶつかってきます。日本では考えられないような激しさで背後からぶつかられた。足をかられるような危険なスライディングタックルはしょっちゅう。”戦えるかどうか”を重視している。翻って、日本のサッカーは激しいフィジカルコンタクトが少ないようです。特に、ユース以下の育成年代ではその傾向が顕著です。国際隊では「当たり負けした」というコメントが良き聞かれます。普段からそういった激しいプレーに慣れていないのですから当然です。ブラジル人は遊びでサッカーをする際にも、本気になり激しく当たってくるので、もし日本人が彼らと遊んだら「遊びなのになんであいつらはあんなにムキになっているんだ?」と違和感を覚えると思います。日本人は、ついロナウジーニョの華麗なテクニックやメッシの素早いドリブルなどにばかり目を奪われ過ぎている。kレイナサッカーをすると思われているスペインでさえ「サッカー=勝負=戦い」というポイントが最も重要視されていることを再認識し、日本人は「サッカーで最も大切なものは?」ということを考え直す必要があると思います。

ジーコ監督が「敗因はフィジカルだ」というコメントは、決して「フィジカルトレーニングにもっと励め」ということではなく、「日本人よ、フィジカルコンタクトの激しいプレーを習慣化せよ」ということなのかもしれません。

「チーム戦術を構築する過程でテクニックは勝手に伸びる」「テクニックを伸ばしてもその過程でチーム戦術は伸びないが、その逆は可能だ」

バルサの保護者と仲良くすると無意識のうちにその子供をひいきしてしまうことも。このような選手の保護者の危険性を熟知しているクラブチームは、コーチングスタッフに「選手の保護者との接触は極力避けるように」という通達を出しているところが多いです。また「選手の保護者から文句を言われた場合には、そういう話はテクニカルディレクターと話してくださいと返答しろ」という通達を出し、保護者といざこざがあった場合は、現場の指導者が担当するのではなくテクニカルディレクターがクッション役を務めるように決めているクラブもあります。

アフェイでの戦いを意識する子供とコーチ。審判も相手よりの笛を吹く可能性が十分あるから、その部分も気をつけろ。「アフェイでのこの緊迫した接戦を買った直後に、敵の気持ちを逆なでするように彼らの目の前でのん気にストレッチをしてどうする。やりたければ更衣室の中でやれ」と指摘され、選手よりも実は監督の僕の方がアフェイ戦の戦い方を知らなかったことを気付かされました。

スペインの子供達がこのように立派にインタビューに答えられるのは、スペインでは自分お意見を持つということが常に求められることも影響しているでしょうし、理論的に試合を振り返る習慣がついていることも影響していると思います。

”サッカーの本質”から遠ざかったトレーニング”ばかり”していては本末転倒です。

ミスキッックでもゴールはゴール。強くければいいってものでもない。重要なのはタイミング。早く走ればいいってものではない。相手も適応してくる。適応の連続。適切な状況判断を伴わないテクニックは意味のないテクニック。

相手が状況に応じて適応してくることを考慮せずにプレーすることの習慣化、状況判断を伴わない個人プレーの習慣化。習慣化されてしまったら、いくらテクニクがあっても、いくら足が速くても、いくら戦術眼があっても、サッカーが下手そうですよね。サッカーの本質がきちんと習慣化されるようなトレーニングを日々行うことがとても大切なのではないでしょうか。

「サッカーは楽しい。けど、練習はつまらない」という現象が起こるのは、大切な何かが従来のサッカーのトレーニングの中で失われてしまったからではないでしょうか。

攻撃を改善したければ守備を改善せよ。その逆も然り。

戦術的な負荷を上げたり下げたりすれば、技術的難易度、体力的負荷、精神的負荷の全てが芋づる式に上がったり下がったりする。例えば、ゲーム形式の練習メニューを行う場合、人数を増やせばその分プレーの選択肢は増えるので、戦術的負荷は上がりますし、逆に人数を減らせば、戦術的負荷は下がります。コートを広くすればスペースが生まれ、戦術的負荷は下がり、逆にコートを狭めれば戦術的負荷は上がります。

想定外の出来事を想定外のままにせず、具体的な対策案を絞り、それを習慣化させることによって想定外を想定内にする。「予定通りの攻めができない時の対策」「足が止まった時の対策」「うまくぱすが回せない時の対策」「負けている時の対策」

日本では「結果にはこだわらずにないようにこだわる」場合が多い。サッカーに含まれる”勝負にこだわる”という要素も連取メニューにも常に勝負にこだわる形でトレーニングすることが大切だと思います。

「練習は嘘をつかない」
 

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