NHKで放送されたドキュメンタリー「エンデの遺言--根源からお金を問う」を1冊の本にまとめたものですね。今のお金の仕組みが本当に正しいのか疑っている人は読んでみるといいとは思います。

「エンデの遺言」

金融システムは、これまでのあらゆる戦争よりも、あらゆる環境の困窮よりも、あらゆる自然の災害よりも、多くの死と貧困と問題を生み出しています。このシステムは、実際、大半の戦争の根であり、大半の対立、社会崩壊の根です。

異常気象、土壌流出などで傷んだこの惑星の上で、60億の人間の半数が栄養失調に苦しみながら生活している反面、たった6%の人間が地球上の富の59%を独り占めにしています。

通常のお金のシステムでは、お金を貸し付けること、つまり保有を一時的に断念することに対して報酬を与えています。お金を借りた人は当然のように利息を払います。誰もこれを疑いません。しかし本当にそれが当たり前なのでしょうか。

お金を持っている人間はお金を持ち続けても費用がかかりません。対照的に、例えば、農民はタネを蒔くのを延期できません。ですから、タネを蒔く資金を借りるのを急がされることになります。これでは、取引をしようにも、立場が違いすぎます。片方は、自分に有利になるまでいつまでも待てるわけですから。貨幣提供者が農民に貸す場合は、利子を請求します。嫌だとは言えません。お金を持つ者は「安楽椅子」に座るがごとく待っていればいいのです。ここにお金の力の根元がありますが、銀行はそれを持っているのでBANKと言われるわけです。

いま世界経済は巨大なカジノと化しているように見えます。

お金の常識を疑ってみるところから始めて、地域通貨を作り上げて行く取り組みが進められれば、私たちの経済や社会、自然についての新しい価値観が生まれ出てくるはずです。



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