「スペシャル 欲望の資本主義2018〜闇の力が目覚める時」

資本主義の原理。創造するためには破壊し続けなければならない。

デジタルのテクノロジーは発展しているのに、先進国の経済は停滞している。

テクノロジー革命はまだ始まったばかり、十年後に結果が出るというが、貧困格差が広がっている。

賃金体系のトップにいる一握りの人たちが圧倒的な恩恵を受けている。新しいテクノロジーは、強者をさらに強者にする。

サービス業、銀行、保険会社、役所に勤める人々。これらは50−60年代に生まれた仕事だが、彼ら中流層は新しいテクノロジーの恩恵を受けていない。それどころかテクノロジーは彼らの仕事を時代遅れにし職を奪っている。かろうじて生き残れるのは飲食業など比較的賃金の低い仕事だけだ。ロボットやソフトウェアで簡単に置き換えられないからね。

至る所で新しいテクノロジーが盛況だからと行って、経済成長に結びつくわけではない。

農業をする人がいなくなり、自分の能力を発揮できる仕事がなくなる。

お金を増やすことが目的の資本主義。

人々の賃金がある時から止まった。日本のバブル崩壊後、実質賃金が増えていない。過剰生産と、売上の落ち込みが至る所で起きていて、せっかく向上した生産性を生かしきれない状態が続いている。

そのため、金融市場での投機が盛んになっている。世界中で賃金が頭打ちになっている。資本主義にとってとても危険な状態。

人々の失業に対する恐怖が高まったことで、仕事の確保を優先し賃金には目をつむる文化が形成されてしまった。これは社会全体にとって恐ろしく危険なこと。生産性と連動して賃金の上昇を実現しなければだめ。

会社が労働者に良い賃金を与えたら、他の企業に負けて、破産してしまう。良い給料を労働者に与えることは、良いビジネスマンではない。

どんな組織もどんなシステムも時間を得て自信を維持するためには、他のシステムを排除しなければならない。

「私を助けてくれないのに、なぜ他の人を助けなければならないのか」となり、悪が生まれる。

人間の抱える問題は「増えること」「食べること」に行き着く

成功者でいるためには何かを達成するだけでなく、絶えず成功し続け、自らを維持する必要がある。

創造的破壊を繰り返す。創るために「破壊」すること。破壊に注目しなければならない。人々はこれをずっと繰り返し、強迫観念のように私たちを駆り立ててきた。

資本主義はその成功ゆえに自壊する。

あなたはお金を使っているつもりでお金に使われているんだ。

もっとお金を増やそうとするのは、不確実な未来への備え。持つお金が多ければ多いほど安心する。人は過剰に安心を求める。

もしお金もいらない、携帯電話もいらない、実際にドイツの美しい森の中に入って、じゃがいもを育てて、生活をする人を止める人はない。それどころか、人々は私たちに興味を持って「頑張れ!」と応援してくれるはずだ。でもその逆は絶対に機能しない。共産主義は、資本主義的実験を許さない。

インターネットが何を生み出しているのか。サーチエンジン、フェイスブック、人々は楽しんでいる。生活の質に影響を与えているが、統計には反映されていない。電気やDNAに比べてどれほど重要なのかという点について、経済学者の間で議論が耐えない。イノベーションを産む側にとっては皆の暮らしに影響を与えることは、喜びだろうし、それは当然だ。しかし、他人に24時間追い立てられることはそれほど幸せななことかな?

個人が流れを変えることができない、資本主義の構造の力。

「芸術家のような人生にしてはいけない。なぜなら芸術家は不幸だからだ」「芸術家はいつも創造性の欠如への恐怖にさらされている」と語っている。今の新しいテクノロジーの世界では常にそうした緊張感がある。いつも「自分が得意なことは何か」と自分自身に問いかけなくてはならない。それがストレスと緊張を生むため今の社会では燃え尽きてしまう人が大勢いる。人は能力を最大限使うことを求められる。

人には働かないことに対する「恐れ」がある。働かないことは「余暇」ではなく「失業」と捉えられる。

ベーシックインカムの実験で、社会保障費は下がり、犯罪は減少、子供の成績は上がり人は労働をやめなかった。だけと駄た一つ離婚率は50%ほど上昇した。すると「共和党」など保守派は皆「ベーシックインカムは採用しない」と決めた。女性がより独立してしまったら男性は良い結婚生活を送れなくなる。ダメだとね。こうしてベーシックインカムの導入が忘れられた。しかし、十年後に統計データーを調べたら、離婚率は上昇してなかった。

結局、自由に使える時間こそが富だ。まさに有限の貨幣だからね。「自由な時間」ほど豊かに感じるものはない。それこそ、自由な人間だ。

資本主義が崩壊するのが先か、私たちが資本主義から抜け出る道を見つけるのが先か。どちらかね。人間世界の滅亡はいつか本当にやってくるだろう。

この世界はどうにか機能しているが、詳でもそれがなぜ機能しているかは疑問だ。ペンを落としたら落ちるなどの物理も同じだ。現象の細部まで全てを説明できる完璧な理論はない。資本主義はある程度までは機能するが、完璧ではないということにいつも注意を払うべきだ。現在の世界について確実なことは誰にもわからないのだ。

スペシャル 欲望の資本主義2018〜闇の力が目覚める時 Part1