エンジニアもPMも重要なんですよね。
「熱狂させる製品を 生み出す プロダクトマネジメント」
その製品は、市場では完全に失敗した。確かに技術的には画期的だっ たし、専門家たちも価値を認めてくれたが、人々の購買意欲をそそるも のではなかった。開発チームは、当然その結果に落胆したが、すぐにいくつかの重要な 問題について、自らに問いかけ始めた。何を開発すべきかを決めるのは、 誰なのだろう? その判断は、どうやってするのだろう? 出来上がった ものが役に立つかどうかは、どうすればわかるのだろう?若かった私たちの開発チームは、極めて重要なことを学んだ。多くの 開発チームが、身をもって知らされてきたことだ。作るものに価値がな ければ、開発チームがどれほど優秀だろうと関係ないということである。
「熱狂させる製品を 生み出す プロダクトマネジメント」
その製品は、市場では完全に失敗した。確かに技術的には画期的だっ たし、専門家たちも価値を認めてくれたが、人々の購買意欲をそそるも のではなかった。開発チームは、当然その結果に落胆したが、すぐにいくつかの重要な 問題について、自らに問いかけ始めた。何を開発すべきかを決めるのは、 誰なのだろう? その判断は、どうやってするのだろう? 出来上がった ものが役に立つかどうかは、どうすればわかるのだろう?若かった私たちの開発チームは、極めて重要なことを学んだ。多くの 開発チームが、身をもって知らされてきたことだ。作るものに価値がな ければ、開発チームがどれほど優秀だろうと関係ないということである。
私は心に誓った。ユーザーや顧客の求める製品であるとわからないか ぎり、二度とあんなに必死になって仕事をしないと。
多くのエンタープライズ企業が、ゆっくりとした死のスパイ ラルに陥る。そうした企業は、数年あるいは数十年前に築いた価値とブ ランドにてこ入れしようとする。エンタープライズ企業の死が一夜にし て起こることはめったになく、何年も水面に浮いていられる。組織は、 間違いなく沈み続け、確実に終末期を迎える。
エンジニアの参加が遅すぎるだけではなく、アジャイル開発の原 理や主要な利点を取り入れるのも遅すぎる。こんなふうにアジャ イルを使っている開発チームは、アジャイル手法の実際の価値や 可能性の20%ぐらいしか享受していない。あなたが実際に目にす るのは市場投入の俊敏さであり、市場投入に関わる組織や文脈以外では決してアジャイルではない。
エンジニアはたいてい頭がよく、生まれつき疑り深い人が多 うまくごまかそうとしても簡単にはだまされない。何か知らない。可か知らないことがあればそれを素直に認め、見栄を張るのではなく、調べてみるとき、うがはるかにいい。
プログラミングの技能を身に付けるのは、エンジニアに仕事のやり方 を教えるためではなく、エンジニアとうまく関わり、エンジニアと協力する能力を大きく向上させるためである。またそれほど明白ではないが 同じくらいに重要なのは、その知識によって技術とともに実装上の可否 を見極める深い認識を得られることだ。
一番してはいけないことの1つは、能力のない人を選んで昇進させ、 リーダーの地位に就けることだ。
「確かにこの人物はあまり優秀じゃないが、周りとうまくやった。 いるし、ステークホルダーたちにも気に入られているみたいだな 彼を製品開発のリーダーにして、足りない部分をカバーする有能だ。 社員を雇おうと思う」。しかし、どうすればこの能力のない人間が有能 な開発チームの育成に貢献できるというのだろうか? そして、そのこ とは組織にどんなメッセージを伝えるだろうか?
テークホルダーに関してプロダクトマネジャーがよくしてしまう間 違いは、ソリューションをビルドしたあとで見せることである。その場 合、プロダクトマネジャーが制約をきちんと理解していなかったために 問題が起きることがある。ステークホルダーが腹を立てるだけではなく、 修正を強いられるためにエンジニアリングチームも不満を持つだろう。 だから、製品発見の過程で、プロダクトバックログに入れる前に、ソリ ューションを必ずステークホルダーに見せよう。これは製品発見の鍵の1つである。製品発見においては、ソリューシ ョンが(顧客にとって)価値があり、使いやすく、(エンジニアにとっ て)実現可能であることを確認するだけではなく、必ずステークホルダ ーがそのソリューションを支援してくれるようにしなければならない。
私がしばしば見かけるもう1つの間違いは、プロダクトマネジャーの 意見対ステークホルダーの意見という状況に行き着いてしまうことだ。 こうなるとたいてい、職階が上のステークホルダーが勝つ。
製品発見に早い時期からエンジニアを参加させない。エンジニアはアイディエーションを始めるときから製品発見に加わる必要が ある。もし、プロダクトマネジャーやデザイナーが調整できる早 い時期からエンジニアを製品発見のプロセスに加えたら、エンジニアは、たいてい、もっと迅速に実装できる別のアプローチを提 案するだろう。
関満徳
日本能率協会マネジメントセンター
2019-11-09